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[特別企画]成功事例に学ぶ! 大手企業の周年事業ケーススタディ

第1回 大丸松坂屋百貨店の大丸創業300周年記念企画

2007年に老舗百貨店の大丸と松坂屋が経営統合し設立された「J.フロントリテイリング」グループの一員として新たなスタートを切った大丸松坂屋百貨店。2017年に大丸屋号が創業300周年の節目を迎え、1年をかけて数々の周年記念企画が催された。

「社是「先義後利」を見つめ直して、新たな価値創造につながった」という周年記念企画について、J.フロントリテイリング経営戦略統括部IR・グループ広報推進部兼大丸松坂屋百貨店業務本部広報部専門部長の西尾聡さん、同スタッフの杉谷智恵さんにお話を伺った。

    
ビジョンとともにプロジェクトがスタート

 百貨店の周年企画というと、プレミアム価格の限定商品を用意するなどの販促プロモーションが展開されることが多い。しかし大丸が創業300周年を迎える2017年は、J.フロントリテイリング設立10周年と重なったこともあり、企業のビジョンを色濃く反映した、従来にないスケールの特別企画が検討された。

「300年続けてこられた感謝の気持ちをお客様、取引先の皆様、従業員スタッフに広く伝え、百貨店ならではの形で地域活性化に貢献したいと考え、お客様のための行動が、自分たちの利益につながるという思いから300周年の計画を立てていきました」(杉谷さん)

    

 その思いの象徴となったのが、大丸創業の地である京都で実施した「町家プロジェクト」である。老朽化する町家の再生を目的に、大丸京都店祇園町家を出店した。このプロジェクトを皮切りに、神戸・旧居留地を舞台にしたファッションイベント「VOGUE FASHION’s NIGHT OUT 2017 KOBE in Daimaru Kobe」、5分間でできるビューティーサービスとしての「300秒マジック」、樹齢300年のオリーブの木をお客様への感謝のメッセージとともに店頭に飾った「感謝の大樹」など、数々の周年記念プロジェクトを打ち出していった。

 大がかりなプロジェクトがいくつも展開されたにもかかわらず、今回の周年企画では事務局が組織されていない。それぞれのプロジェクトは、営業企画室の販売促進担当とMD戦略推進室の担当者を中心に、社長直轄の機関である未来定番研究所、さらにイベント会場となる店の販促チームが随時連携して進めていったという。老舗百貨店だけに、各店舗を中心とした現場がイベント運営に慣れていた土壌もあったが、何よりも自主性を重んじたためだといえる。

    
スタッフのプロ意識を効果的にアピール 社内のモチベーションアップにも

 大丸屋号の周年記念ではあるが、社内には松坂屋出身のスタッフも多い。だがカルチャーの違いによる摩擦が起きる心配は無用だった。経営統合後に、互いの交流を意図して活発化されたシャッフル人事が功を奏し、10年を経た今では、どちらの屋号出身であるかは問題にならないほど一体化が進んでいるのだ。

 さらに、スタッフの一体感を高める効果を生んだのが、「輝く100人のポスター」の制作だった。全国15店舗で働く従業員と取引先スタッフから、さまざまな分野のプロを推薦により選出。営業や販売スタッフだけでなく、縁の下の力持ちとして働く本社社員や裏方スタッフにも対象を広げた。そうして選ばれた100人の個性豊かなスタッフを主役に、彼ら彼女らが所属する地域のクリエーターに協力を仰いで制作されたポスターは、全国の店舗で掲出された他、インターネット上の特設サイトでも公開され、話題を呼んだ。

「100人ポスターの制作を通じて、大丸・松坂屋はこれだけ多くのプロに支えられているのだと、社内外に広く伝えることができました。交流がないとなかなか気付きませんが、これだけ個性的ですごいスタッフがいる職場だったのだと改めて感じた社員も多かったと思います」(杉谷さん)


個性あふれるスタッフ100人が登場したポスター。写真は大丸札幌店

これまでの300年への感謝とこれからの300年に向けての決意

 2017年の終わり、周年記念の集大成となる企画として、大丸は「300年クローゼット」を打ち出した。大丸にまつわる思い出の品をお客様から募集し、今後300年にわたって大切に保管させていただくという壮大なプロジェクトだ。大切な品を保管する責任を担うことで、これからも300年続けていくという決意の表れを象徴している。

「300周年にまつわる数々の企画は話題を呼び、舞台裏の密着ドキュメンタリーはテレビでも取り上げていただきました。それはお客様、お取引先様、スタッフ、地域の皆様と共に大丸を支えてくださるステークスホルダーである株主様にも、大丸の企業としての取り組みを伝える良い機会になりました」(西尾さん)

周年企画から端を発した「町家プロジェクト」や「300秒マジック」などは好評につき、次の展開が図られている。

周年企画を一過性の行事として捉えるのではなく、未来を見据えて企業ビジョンを具体化するプロモーションとしたことが、大丸の創業300周年企画を成功に導いた秘訣だったのだろう。

お客様からの品物を300年保管する壮大なプロジェクト
お客様からの品物を300年保管する壮大なプロジェクト


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