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[特別企画]成功事例に学ぶ! 大手企業の周年事業ケーススタディ

第3回 パナソニック100周年プロジェクト

2018年に創業100周年を迎えたパナソニック。15にも及ぶ周年プロジェクトには、企業が目指すビジョンや思いが詰まっている。企画の背景について、経営企画部未来戦略室未来戦略推進課課長の岡崎義典さん、経営企画部未来戦略室100周年プロジェクト総合事務局主務の守屋亮さん、同事務局主務の清水淳子さんにお話を伺った。

    
魅力ある企業となるために 練り上げられた15の施策

 創業100周年を目前にして、パナソニックが考えたのは「次の100年を生き残るために、今、何をしなければならないか」。市場競争力の低下が危惧され社内からも厳しい声が上がるなか、社会にとって魅力ある企業であり、新たなお役立ちを創出し続けなければ、次の100年を生き残ってはいけない。現状の課題を打破するためにも、未来を見据えて新しい風を吹かせることが必要になってくる。となると、お祭りのような一過性の記念イベントを開催するよりも、社内に変革をもたらすための継続性のある施策を優先すべきと考えた。

「真摯にお客様・お取引様に感謝の意をお伝えしつつも、100周年ということをステークホルダーに大々的にアピールするのは、どこか押しつけになるのではという思いがありました。そこで今回の100周年という節目では、原点に立ち返り気を引き締め直して、再スタートを切る契機にすることを目指しました。」(岡崎さん)

    

 準備は2015年11月から始まった。社内のブランドコミュニケーション部門や人事部門、研究開発部門などの部課長クラスで構成するプロジェクトチームが立ち上がった後、 未来を担う世代の若手社員を中心としたタスクフォースを結成し、双方の立場からプランを検討。やがて100周年プロジェクトとして新しい事業の創出、人材育成、資産の継承を3本柱とする、15の施策を全社横断で展開することが決まった。

 中でも人材育成には、新たな試みを数多く取り入れた。 「ものをつくる前に、人をつくる。」と説いた創業者・松下幸之助氏の精神を受け継ぎ、「A Better Workstyle」のスローガンのもと、社員一人ひとりが自発的にチャレンジしたくなる環境づくりを促進。具体施策の検討は、所属部門や家庭環境などが異なるメンバーでプロジェクトチームを作り、車座になり検討。昨年11月にはプロジェクトからの提案の一つである、本社に専任組織を組成し、本格的な活動がスタートした。多様な経験、チャレンジ精神の醸成を目的に、今年7月からは、現在の所属部署の席は保留したまま期間限定で他社や他部署での業務を経験する「社外留職・社内複業」を開始するなど、新しい制度を取り入れた“働きがい改革”が始まっている。

 また、新しいビジネスモデルを提案できる有望なビジネスプロデューサーの育成を目指す「NEOプロジェクト」を発足。第1期では全社から公募した若い人材がオーナーとなって、4つのプランの事業化を目指すとともに、第2期の全社からの募集も始まるなど、取り組みは拡大している。


「A Better Workstyle」のスローガン

    
自発的に参加できるように巻き込みながら 社員に改革の意識の芽を植え付ける

 組織風土の変革を図るには、小さなことからでも、社員一人ひとりの意識を変えるための働きかけが重要だ。その手始めとして「Choose Day」の取り組みを、各部署にて推進。「脱スーツチャレンジ」を掲げ、働く服装への意識を変えたり、部署内にミーティング用のオープンスペースを確保することや、ITツールの充実により遠隔地との会議を実現させることにより、働く場所を選択できるようにするなど、各部門で環境の変革に取り組み始めた。

 さらに多くの社員が所属する製造・研究開発部門の現場でも、社員に新鮮な変化を感じてもらうために、30年ぶりにユニフォームの刷新を計画。新しいユニフォームには現場の声を反映させたいと、デザインの前に多くの製造・開発現場を訪問しヒヤリングやワークショップを実施。最終的なデザインは社内投票で決定した。新ユニフォームは、2018年下期をめどに導入される。


パナソニック100周年ロゴ

100周年にまつわるシンボルマークやロゴデザインも、案を社内から公募し、最終決定は社内投票を経て決めている。こうして社員の巻き込みを図ることで、100周年プロジェクトでパナソニックの目指す変革を実感してもらうことを願ってきた。とはいえ国内および海外拠点で働く全社員の隅々にまで浸透させるのは、一朝一夕では成しえない。社員の一体感の醸成を目指した施策は、これからも続いていくという。

「今はまだ慣れない試みもやがて当たり前になって、『そう言えばこの施策は、100周年の時から始まったんだっけ』と懐かしく振り返る時がくる。そうなるほど継続され、会社の風土・文化として浸透するのが理想ですが、まだまだこれからです。」(守屋さん)


人づくりのためのコンセプト

変革のベースにあるのは 100年経っても変わらない理念

 変革を始めたパナソニックだが、創業以来堅持し続けている「一人ひとりにとってより良い暮らしを追求する」という経営理念は、これからも変わることなく継承されていく。それが、100周年プロジェクトの第3の柱として掲げた「資産の継承」だ。

「新・歴史館プロジェクト」として、今年3月にはパナソニックミュージアムをオープン。6月には北京にも松下記念館を設立した。さらに、膨大な数の資料をデジタル化して収蔵し、歴史背景とともに、創業者である松下幸之助の思いを次世代に伝え残している。

専門部署により丁寧に記録が綴られてきた社史は、経営の変遷を記録した「正史」に加えて、新たに再編集した255ページからなる「普及版」を編さん。社員全員に配布し、一人ひとりにパナソニックの経営理念が受け継がれることを願っている。

「100周年プロジェクトのコンセプトを『Trust & Change』としたのは、これまでの100年を支えてきた人たちへの感謝と、新たな挑戦に向けて会社を変えていきたいという想いからです。次の100年もこれまで積み上げてきたものを大切にしながら、アグレッシブに挑戦し続ける会社にしていきたいです。」(清水さん)

変わらない思いと、変わろうとする取り組み。3年の準備期間を経て2018年にスタートしたばかりの100周年プロジェクトは、記念年の期間限定企画ではなく、これからの100年に向けての決意の証なのだ。

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2018年10月2日(火)
成功事例紹介セミナー

周年事業で企業価値を上げる
〜DNAを未来につなぐ〜

申し込みはこちら

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●セミナー概要
成功事例紹介セミナー
周年事業で企業価値を上げる
〜DNAを未来につなぐ〜

●日時
2018年10月2日(火)
14:00〜17:00(13:30開場)予定

●会場
ザ・グランドホール(東京・品川)
(港区港南2-16-4
品川グランドセントラルタワー3階)

●主催
日経BP総研

●受講対象
経営企画部門、人事部門、広報部門、CSR部門の方など

●定員
300名

●受講料
無料(事前登録制)
※先着順となりますのでお早めにお申し込みください。

●申し込み
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