""
  • TOP >
  • [成功事例紹介セミナー開催報告]社員一人一人が明確な目的意識を共有し、自分事として取り組む姿勢が周年事業を成功に導く

[成功事例紹介セミナー開催報告]

社員一人一人が明確な目的意識を共有し、自分事として取り組む姿勢が周年事業を成功に導く

 2018年10月2日(火)、東京・品川のザ・グランドホールにて「周年事業で企業価値を上げる〜DNAを未来につなぐ〜」が開催された。当日は、ソリューション事業統括を務める酒井綱一郎日経BP社取締役副社長の主催者あいさつを皮切りに、周年事業を成功裏に終えた4社によるパネルディスカッションと周年事業がもたらす企業の成長効果についての講演が行われた。

 メインプログラムのパネルディスカッションでは、2017年および2018年に周年事業を展開した4社の成功事例を紹介。パネリストとして、2017年に300周年を迎えた大丸松坂屋百貨店を代表してJ.フロントリテイリング取締役兼執行役常務経営戦略統括部長兼リスク管理担当兼大丸松坂屋百貨店取締役の澤田太郎氏、2017年に100周年を迎えた森永乳業からは営業本部マーケティングコミュニケーション部マネージャーの木下孝史氏、2018年に100周年を迎えたパナソニックからコーポレート戦略本部経営企画部部長の村瀬恭通氏、そして2018年に20周年を迎えたサイバーエージェントからコーポレート推進部部長の野島義隆氏が登壇。モデレーターを務める中須譲二日経BP総研コミュニケーションラボ所長の進行のもと、各社の取り組みが語られた。

パネルディスカッション
四社四様の周年事業に共通するのは、企業のこれからを見据えた「未来志向」

大丸松坂屋百貨店


 大丸松坂屋百貨店は、支えてくれる全ての人への「感謝」と、300年培ってきた企業価値と今後の方向性を見据えた「ブランディング」をコンセプトに、数々のプロジェクトを展開。 まず300周年に先駆け、2016年から老朽化した町家の再生プロジェクトを始動。 「大丸京都店 祇園町家」を出店し、伝統を重んじる海外ブランドとして「エルメス祇園店」を誘致し、期間限定で展開するなど、大丸創業の地である京都の地域活性化を図った。 このプロジェクトを皮切りに、神戸の旧外国人居留地エリアで開催した「ヴォーグ・ファッションズ・ナイト・アウト」、取引先企業や従業員から選出したスタッフのポスター広告を制作した「輝く100人のポスター」、お客様の思い出の品をお預かりして300年保管する「300年クローゼット」など、数々のスペシャル企画に取り組んだ。

 特徴的なのは、これだけのプロジェクト展開にもかかわらず、専任事務局は組織されていないことだ。 いずれの企画も現場からプランが立ち上がり、関係部署との連携でプロジェクトが遂行された。 「百貨店なので、個別の店舗の周年企画というのが必ずあります。これまで店舗で実施する周年企画は、記念の福袋を発売するなど消費需要喚起型の企画が中心でしたが。今回は、『大丸』の300周年という本質を追求し、コンセプトを重視しようという方針がスタートの段階で決まっていました。自由な発想でプロジェクト企画が進み、社内も活気づきました。」(澤田氏)


神戸の旧外国人居留地エリアで開催した「ヴォーグ・ファッションズ・ナイト・アウト」の様子

森永乳業


 森永乳業は、新しい経営理念やスローガンを策定し、次の100年に向けて目指す姿を新たに描いた。 さらに、「顧客への感謝の気持ち」を全面的に押し出し、一生の思い出を共有できる記念キャンペーンをプランニング。 ギネス世界記録への挑戦という、参加型のイベントを展開し、見事に新記録を打ち立てた。

 ギネス新記録の達成で、周年事業の成功に華を添えた背景には、入念かつ周到な準備があった。 挑戦するギネス種目が「1会場で行われる世界最大のデザートデコレーションレッスン」に決まると、早々に2000人以上の人が収容できる会場の確保に動いた。 その後は、レッスン用のオリジナルデザートを講師に考案いただき、ネーミングは公募で決定するなど、準備を重ねていった。 最終段階に入ると、100周年の感謝を伝える広告とともに、イベントの主役となる参加者を一般公募。 13000人を越える応募者から2000人強を選出した後は、気持ちよく参加してもらうために、リマインドメールなどでコミュニケーションに努めたという。 当日には、イベントスタッフとして集まった約200人の社員が合流。会場の一角に設けられたお楽しみブースで接客を行い、一部の社員はイベントに飛び入りで参加して参加者と一緒に記録達成を果たした。 「ギネス記録達成という目標に向かって、全員が一丸となって協力し合えたことで、充実した結果が残せました。日頃お客さまと触れ合う機会の少ない社員にとっても、またとない貴重な経験になったと、喜びの声が上がりました」(木下氏)


100周年の感謝を伝える新聞広告について解説

パナソニック


 パナソニックは、100周年の節目を、次の100年を生き残るための新たなスタートにすることを決意。 創業以来培ってきた「資産や伝統(Trust)の継承」と、現状の課題を鑑みた「変革(Change)」の着手に乗り出した。 「現状に甘んじていては、次の100年後に生き残っていられないかもしれない。ブランドのレガシーは大切にしながらも、既存概念にとらわれない新しい価値観の創成が急務だと考えました」(村瀬氏)

 3年間の準備期間を費やし、世界7カ国で開催した展示ツアーなど、国内外合わせて15の施策を展開。 特に注力しているのが、若手の台頭を願った人材育成事業だ。 「物をつくる前に人をつくる」と語り続けた創業者・松下幸之助氏の理念のもと、新たなビジネスモデルの創出に挑戦できる経営者人材の発掘・育成を目指して「NEOプロジェクト」を始動。 社内公募で募った企画は、企画内容だけでなく応募者の熱意も見て審査。 合格すると、ブートキャンプを設け企画内容のブラッシュアップを行うなど、会社のリソースをかけ、メンタリングをしながら、社内起業家の発掘・育成に全面的にバックアップし、事業化を目指して取り組んでいく。

 一人ひとりの働きがいと会社の成長が連鎖する、新しいパナソニックをつくる運動:「A Better Workstyle」をスタートした。 働く場所や働く時間にとらわれず、自由な発想で働くことを後押ししたり、本人起点で週に数日他部署の仕事をする「社内複業」や、社に籍を残したままベンチャー企業などに出向して仕事をする「社外留職」など、さまざまな経験を積むことでのスキルアップを目指す取り組みも始まった。 パナソニックにとっての周年事業は、いまなお続いている。


グループ全体で横断的に行った施策は15にも及ぶ

サイバーエージェント


 最も若いサイバーエージェントは、20周年を通過点ととらえ、記念事業を二つのプロジェクトに集約した。

 一つ目は家族向けの20周年史の制作だ。 「実力主義型終身雇用」を掲げた同社では、社員に長く働き続けてもらうには、家族の理解と応援が不可欠という観点から、社員よりも家族に読んでもらうことを意識して編さんされたという。 サイバーエージェントが掲げた「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンや、今まで手掛けてきた事業の変遷、今後目指していく方向性など、会社のカラーを余すところなく詰め込んだ。

「営業代行が中心だった創業期を経て、パソコンやスマートフォン向けのメディア制作に携わり、今ではインターネットテレビ局を開局。わずか20年の間でも、いくつもの変革を経て、その時代ごとのカルチャーが醸成されました。そうして積み重なったカルチャーの地層こそが歴史になるので、それを伝えるのが20周年史の役割だと考えました」(野島氏)

 二つ目のプロジェクトとして、半期に一度開催している社員総会の規模を拡大し、グループ企業の社員も招集して4000人以上が参加したグループ総会を開催。 そこでは、好成績を上げた社員を、華々しく表彰しているという。 この様子は映像でも紹介され、壇上でトロフィーを受け取った人たちの喜びにあふれた顔が、印象的に映し出された。 その意欲にあふれた姿は、総会がもたらす効果を明確に示していた。

 登壇した4社は、いずれも周年事業を展開するに当たり、創業からの年数を振り返ると同じだけ、その先の未来を見据えていた。 会場は耳をそばだてながら、それぞれの企業のオリジナリティーあふれる周年事業の取り組みに、興味深く聴き入っていた。


「社員の家族」に読んでもらうことを意識して編さんされた20周年史

    
講演1
周年事業は飛躍のチャンス プロ集団が課題解決をサポート

 後半の講演1では、日経BP総研コミュニケーションラボから上席研究員の大塚葉氏とブランドコンサルタントの守山菜穂子氏が登壇。 「企業を成長させる『攻める周年事業』の進め方」と題して、さまざまな解決策を持つプロの手を借りて、周年事業を成功に導く方法が紹介された。 「周年は企業にとって飛躍のチャンス」と語る大塚氏と「周年事業に取り組むことで、企業のインナーマッスルが鍛えられる」と語る守山氏は、明確なビジョンを持って周年事業を進めることで、プランド力の向上、社内の活性化、地域とのつながりの強化、成長戦略への展開など、さまざまな有益生を示唆。 そのために、外部に丸投げするのではなく、コンセプトの立案から、企画のブラッシュアップ、プロジェクトの遂行まで、社員が自発的に取り組む重要性を訴えた。

 しかし、事前のセミナー参加者へのアンケート調査で浮き彫りになったのは、周年事業を「社員の一体感を醸成し、意欲向上を図る機会」と捉えつつも、「手掛けるプロジェクトが決まらない、何をしていいのか分からない」という悩みを抱えた企業の姿だった。

 そこで、自社だけでは解決が難しい場合の解決策として、日経BP総研が展開するワークショップや、守山氏が開催するセミナーを紹介。 編集のプロが支援する「周年史編集会議ワークショップ」、周年事業の進め方を学ぶ「周年事業スタート支援ブログラム」、プロの添削により企画書作成スキル向上につなげる「企画力アップ編集塾」、モチベーションの高い自燃型の人材になるための「パーソナルブランディング研修」、会社の未来をデザインする「未来予測年表プロジェクト」など、現在の悩みや課題に応じたソリューションが語られた。


周年事業の有益性について活発に意見が交わされた

講演2
日経BP総研のネンデマンド(周年事業)ソリューション
実例に基づいた周年事業の効果

 最後に、日経BP総研企画マーケティング部の恵聖児氏が登壇し、日経BP総研が展開する「ネンデマンド(周年事業)ソリューション」を実践した、二つの企業実例が語られた。

 一つ目は、2016年に10周年誌を制作した西武ホールディングス。 その誌面には、2004年に相次いで発覚した、西武鉄道の総会屋への利益供与事件や有価証券報告書虚偽記載などの不祥事と、その後の危機から再生までの軌跡が克明に明記されているという。

 しかも、その10周年誌は社内配布にとどまらず、赤坂プリンスホテル跡地に「東京ガーデンテラス紀尾井町」が開業した折りのお披露目の席で、マスコミ関係者や政財界人を含む来場者全員に配られた。 負の歴史を隠すことなく、それを乗り越えて再生に向けての歩みを続けている姿勢は、後々の営業活動にも大きな影響を及ぼしたという。 過去の失敗から目を背けず、正しく伝え残そうとする姿勢が企業の信頼感を高め、ブランディングの向上へと転じることができた好例だ。

 二つ目は、2022年に150周年を迎える資生堂。 周年事業への思いは深く、プロジェクトチームは、140年目にあたる2012年に発足。 10年間の長期計画で進める事業として、5年間は社内でできることを整理し、じっくりと時間を掛けて取り組んできた。 女性の生活に影響を与えてきた会社だからこそ、日本の文化に寄与するプロジェクトを展開しようと、4年後を見据えながら周到な準備が進められている。

 まとめとして、「二つの企業の事例も参考に、周年にあたって、誰に何を伝えるのかを熟慮し、それを効果的に見せたり伝えたりする方法を模索しながら、新しい周年事業を創り出してほしい」という恵氏の言葉で、セミナーは締めくくられた。


周年事業の効果と実例を紹介

周年事業に関するソリューションのお問い合わせはこちら

ブランドイメージや顧客リレーションの強化、理念の浸透や一体感の醸成、意識改革…周年事業は企業を飛躍させる最大のチャンスです。



日経BP社ビジネス・サポートにお任せください!

お問い合わせの内容は、必ずしも具体的である必要はございません。まずはお問い合わせください。最適なソリューションをご提案致します。

電話でのお問い合わせ
資料請求・お問い合わせ