• TOP >
  • [連載コラム]マーケティング担当者におくるCRMのススメ >
  • 第1回 なぜ一見さんお断りのお店は繁盛するのか? 〜CRMの価値〜

[連載コラム] マーケティング担当者におくるCRMのススメ

第1回 なぜ一見さんお断りのお店は繁盛するのか? 〜CRMの価値〜

 「企業の目的は新たな顧客の創造である」

 フィリップ・コトラーのマネジメントについては、読んだことのある方も多いのではないでしょうか?勿論、製品やサービスを通じ、市場を作り、顧客を創造していくことが、企業の目的であることは間違いありません。

 一方で、サービスや商品が溢れている昨今、マスマーケティングから1to1マーケティングへと時代は移り、また、個人の行動履歴や購買履歴のデータベース管理が容易になり、さらにAIの進化に代表されるように、マーケティングのオートメーション化が進んでいる今、

 「既存の顧客との関係性を維持し、深めること」

の重要性が注目されるようになっていることもまた、事実です。

 ちょっと難しくなってしまいましたが、要は100人の一見さんを呼び込むことよりも10人の常連客を作ることほうが、リターンが大きいということなのです。それを証明するために、ここでひとつ例を出しましょう。ある企業での、今までの購入回数ごとの「1年間の購入金額」の分布です。

前年の購入回数 次年度1年間の購入金額
10回購入者 123,400
5回購入者 42,370
1回購入者 8,300

 ここから読み解けることは、5回目のリピーターは1回購入者の約5倍の価値、10回目のリピーターは1回購入者の約15倍の価値があるということです。

 いかがでしょうか? あなたの会社でも同じような状態ってありますよね。

 しかし、「常連客を作る」とひと口に言っても、簡単なことではありません。そこで生まれた考え方が、既存の顧客との関係性を管理するという手「Customer Relationship Management」略してCRMと呼びます。

 大量生産大量消費の時代が終わりを告げた今、CRMこそが、もうひとつの企業の目的なのです。

 CRMには大きく分けて3つの手順があります。

・顧客データの収集
・収集した顧客データの分析
・分析データに基づいた施策の実行

 こうやって書くと単純なのですが、実際は割と複雑なのです。なぜなら、顧客の感情パターンや行動パターンは分岐していくからです。

 好き勝手に変化していく顧客の動きを的確に捉えるため、CRMにおいては、分析系(ビジネスインテリジェンス)系、実行系(マーケティングオートメーション)という2つのカテゴリーにおいて、システムの活用が必須とされてきました。

 そういった意味において、CRMという言葉は、マーケティング担当者の中でも長らく誤解されてきました。

 確かに、1to1マーケティングシナリオを精緻に、また、タイムリーに実行していくために、ツールやシステムの活用は役立ちます。

 でも、CRMの本質は、繰り返しになりますが、「顧客との関係を維持し、深めること」です。

 そう、最終的には、人間関係構築と同じです。 統計を取ることは大切ですが、あくまでも手段だということを忘れないでください。

 顧客へ目を向け、顧客の望むことを察知し、 我々にとってのメリットと顧客のメリットが合致する方向へと顧客を優しく導いていきましょう。

 一見さんお断りのお店が繁盛する理由。 それは、入り口でフィルターをかけることで、一人ひとりのお客さまに目を向ける時間を多く作り、お客さま一人当たりの生涯価値を上げることに集中できるからなのです。

 次回からは、より具体的なCRMの実行手法を、具体例を多く取り入れながら解説していきます!

 これを読んでくださった方が、リピーターになってくださるために、私も精一杯努力します(笑)

 次回のテーマは、「CRMで見ていくべき数値(KPI)」の予定です。
新規からリピーター引き上げについてもう少し詳しく知りたい方はこちら
これからどうぞよろしくお願いします!

田村 雅樹

株式会社ダイレクトマーケティングゼロ
代表取締役

田村 雅樹

1972年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、「株式会社ベネッセコーポレーション」、大手化粧品会社を経て、2009年に通販専門のコンサルティング会社「ダイレクトマーケティングゼロ」を設立。通販化粧品・健康食品企業を中心に計500社以上の顧問・コンサルティングを行う。「AMIDAS」や「通販7指標必勝方程式」などの独自理論を打ち立て、クライアントの売上を20倍上げた実績をもつ。「DMA国際エコー賞」「ケープルズ賞」をはじめ「全日本DM大賞」などダイレクトマーケティングに関する賞を国内外で通算31冠受賞。著書に『ゼロからはじめる通販アカデミー』(ダイヤモンド社)がある。講演・寄稿等多数。

連載コラム
マーケティング担当者におくるCRMのススメ 記事一覧

日経BP社ビジネス・サポートにお任せください!

お問い合わせの内容は、必ずしも具体的である必要はございません。まずはお問い合わせください。最適なソリューションをご提案致します。

電話でのお問い合わせ
資料請求・お問い合わせ