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[連載コラム] マーケティング担当者におくるCRMのススメ

第4回 リピート率を改善するために必要なたった一つのこと

 前回はLTVアップ施策を考えるときにとても大切なゴールデンルート戦略についてお話しました。今回はLTVを分解して、もう少し具体的な話に入っていきましょう。
LTVは分解すると、回転数×平均単価で構成されます。このうち回転数はリピート率に依存します。例えば80%リピートしてくれるビジネスであれば平均回転数は5回、95%リピートしてくれるビジネスであれば20回といった感じです。さて鋭い方は気づいたでしょうか。そう、実はリピート率が80%と95%の会社では回転数が4倍違うのです。つまりLTVが4倍違うんです。これってちょっと恐いくらいのインパクトですよね。

 ではリピート率が大切なことがわかったところで、リピート率がどんな要素で成り立っているのかを考えていきましょう。リピート率を構成する要素は大きく2つ。「理性的なつながり」と「感情的なつながり」です。
「理性的なつながり」とは、価格や商品に対して他よりよいからリピートしている状態だったり、他に買い替えるのがめんどくさくて惰性で使っているような状態です。一方で「感情的なつながり」とは企業の世界観や、商品・サービスを通して得られる体験に共感し、感情で繋がった状態を指します。

リピート率の要素

 主にこの2つの要素によりリピート率は構成されますが、影響度を与えるのが大きいのは「感情的なつながり」です。感情的に繋がっていることで、ブランドチェンジされるリスクが1/2、アップセル率が5倍、他者にオススメしてくれる確率が2倍という統計的データもあります。
 では顧客と感情的に繋がるためにはどうしたらいいのでしょうか。それには人の感情誘因に働きかける必要があります。人の感情誘因は数百種類に及びますが、影響度が大きいのは主に下図の10要因で構成されます。

人の感情誘因の主な10要因

 例えば、リピーターを数多く醸成することで有名なザッポス、彼らは圧倒的な接客サービスによって顧客の「感動や興奮を味わいたい」という感情的欲求を満たす戦略をとっています。
他には、例えばよくある「超VIP会員さまのみのご優待」、これは「特別な存在でありたい」という感情的欲求を満たす戦略をとっています。
このようにどんな感情誘因にフォーカスするかは、その事業や市場、企業の思想などによって様々ですが、感情で繋がることによってリピート率が圧倒的に上がることがわかります。

 昨今AIなどの技術の発達に伴い、マーケティング活動をテクニックでこなそうとする企業が増えているように感じます。表面的に見ればリピート率は数字で表現されます。しかしリピート率は、数字だけで判断し、クーポンなどの割引施策を投じてもうまくいかないことが往々にしてあります。それは数字の裏に「人間の感情」があり、それを考えていないからです。特にリピートには人間の感情が影響を大きく与えることは先に述べた通りです。
「だれが、いつ、どんな期待をしていて、どうして離脱してしまったのか?」
リピート率の改善とは、そんな仮説を検証し、よりお客様心理を汲んだ施策へブラッシュアップしていくことで効果が上がっていくのです。
ぜひリピート率を構成する「感情」に着目して、お客様に心から喜んでもらえる施策を考えてみてください。

田村 雅樹

株式会社ダイレクトマーケティングゼロ
代表取締役

田村 雅樹

1972年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、「株式会社ベネッセコーポレーション」、大手化粧品会社を経て、2009年に通販専門のコンサルティング会社「ダイレクトマーケティングゼロ」を設立。通販化粧品・健康食品企業を中心に計500社以上の顧問・コンサルティングを行う。「AMIDAS」や「通販7指標必勝方程式」などの独自理論を打ち立て、クライアントの売上を20倍上げた実績をもつ。「DMA国際エコー賞」「ケープルズ賞」をはじめ「全日本DM大賞」などダイレクトマーケティングに関する賞を国内外で通算31冠受賞。著書に『ゼロからはじめる通販アカデミー』(ダイヤモンド社)がある。講演・寄稿等多数。

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