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[連載コラム] マーケティング担当者におくるCRMのススメ

第5回 9割の企業がやっていないダイレクトマーケティングの極意をビジネスに活用する方法

 近年、コンピュータの劇的な進化により情報処理能力が飛躍的に向上し、ビジネスの世界でもデータを軸とした戦略展開が米国を中心に活発に進んできています。私が主に身を置くダイレクトマーケティングの世界では、昔からそういった文化がありますが、最近はよりいっそうデータマーケティングが盛んです。なぜダイレクトマーケティングの世界ではデータマーケティングが盛んかというと、「誰が買ったのか?」「どれだけ買ったのか?」「買ってからどれくらい経過しているのか?」など数多くのデータが「計測できるから」です。

 データ計測はビジネスにおいて極めて重要です。データがあるからこそ、“明確な結果”があり、それに対する“改善”が生まれるからです。

 しかし、ダイレクトマーケティングの世界の外側ではどうでしょうか?正直、それほどデータを駆使している飲食店/スポーツジム/花屋さんなどはあまり見たことがありません。では、データがないとどういったことが起きるでしょうか。ある焼肉屋さんを例にしてみてみましょう。例えばそのお店が、“食べログ”に広告を出稿したとします。「なんとなく周りが出しているから…」という理由で出稿したのかもしれません。

 問題はその後です。

 「広告のROIが測れているかどうか?」が重要です。

 この測定に関して、ダイレクトマーケティングの領域とそうでない領域では何が違うのでしょうか。下の表をご覧ください。これはインターネット広告を出稿した場合の両者が持つデータの比較です。

 このようにダイレクトマーケティングの領域では、さまざまな指標からROIまでしっかり分析することができます。そのため、新規獲得に最適な投資が可能になるのです。一方ダイレクトマーケティングではない領域では、投資した広告費に対してどの程度効果があったのかがわかりません。「なんとなく客が増えた気がする」このような判断で、広告を惰性で出稿し続けている可能性が十分に考えられます。もしかしたら全く効果がなく、1件も「食べログ」からはとれていない可能性もあります。

 ではこのお店にデータがあったらどうでしょうか?

 例えば、食べログに月間10万円の広告費を投資して、50人の新規のお客さまを獲得しました。つまり2,000円で一人のお客様を獲得できたことになります。このお店の客単価が3,000円としたら広告は成功と言えるでしょう。(原価等は除)

 さらに言えば、1回来たお客さんが次は広告なしでリピートしてくれるかもしれません。するとそのお客さまの価値は3,000円ではなくなります。そうです、ここでLTVという概念が入ってきます。「CPOとLTVがどのような関係性にあるのか」この関係性によって投資の仕方は大きく変わってきます。例えば1人のお客さまが1年間で累計20,000円を使ってくれる場合、広告投資はもっと増やしてもよいという判断になります。反してLTVが5,000円しかない場合、回収はできているが、拡大(投資金を増やす)は止めといた方が良いという判断になります。投資を増やして新規のお客さまを多く獲得していくことは事業を大きくしていく上で極めて重要な要素になります。その投資配分を決める上で、LTVは重要な要素なのです。

  

 しかし、ここで問題になるのは、ダイレクトマーケティングの世界とは違い、それ以外の業界ではデータ取得が難しいケースが多いということです。ではデータ取得が難しい業界として、「飲食店業界」に焦点を当てて、どのように計測していけばよいかを考えていきましょう。

 まずはCPOの計測。例えば、チケットを自動販売機で購入してから入店するお店の場合、買ってもらうときの冒頭に「はじめてorはじめてでないか?」「はじめての場合、何を見て今日このお店にきたのか?」の2問だけを設置してみるといいかもしれません。Web とは異なり、すでにお店に入っているので、離脱(退店)してしまう可能性はかなり低いですよね。それ以外でも小さなお店であれば、アナログなやり方かもしれませんが、メニューをとる際や、お会計のときにお客さまに直接聞いて、集計してもいいかもしれません。食べログの広告を始めたら、配信期間に何人のお客さんが食べログを見て集まっているかを聴くのです。仕組みがないときには、このようにアナログな方法で取得することが大切です。機械的な収集では聞けない貴重な情報に巡り合うチャンスもあるからです。

 今度はLTVに関してはどうでしょうか。よく目にするのはカードを使った手法です。カード登録してもらうことで、受注履歴をデータベースに残し、計測を可能にします。みなさんもご存じかもしれませんが、「いきなりステーキ」や「フレッシュネスバーガー」などが実施していますね。もちろんお客さまはタダでは登録なんてしてくれません。どうしたら登録したくなるか、さまざまな仕掛けを考えてみましょう。CPOはアナログな方法でも調べられますが、LTVはデータを蓄積できる仕組みが必要になります。この2つのデータは経営の命ともいえる数値になりますので、ぜひ計測ができる仕組み作りに取り組んでみてください。

  データを駆使することで、ビジネス課題は明確になり、PDCAが高速で回っていきます。今、あなたのビジネスでデータ活用ができていないのであれば、まずはCPOとLTVから活用できるよう取り組んでみてください。実際私たちは、こういった店舗の企業さまのご相談にのったりもさせていただいています。もしわからないことなどあれば下記からお気軽にご質問くださいね。お待ちしています。

田村 雅樹

株式会社ダイレクトマーケティングゼロ
代表取締役

田村 雅樹

1972年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、「株式会社ベネッセコーポレーション」、大手化粧品会社を経て、2009年に通販専門のコンサルティング会社「ダイレクトマーケティングゼロ」を設立。通販化粧品・健康食品企業を中心に計500社以上の顧問・コンサルティングを行う。「AMIDAS」や「通販7指標必勝方程式」などの独自理論を打ち立て、クライアントの売上を20倍上げた実績をもつ。「DMA国際エコー賞」「ケープルズ賞」をはじめ「全日本DM大賞」などダイレクトマーケティングに関する賞を国内外で通算31冠受賞。著書に『ゼロからはじめる通販アカデミー』(ダイヤモンド社)がある。講演・寄稿等多数。

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